第38回研究会 東アフリカ・ウガンダのフォークロアと文化遺産
第38回研究会 東アフリカ・ウガンダのフォークロアと文化遺産―文化遺産として承認されるフォークロア/承認されないフォークロア―
日 時: 2017年9月2日(土)14:30~17:00(予定)
会 場:
神戸大学国際文化学研究科(鶴甲第1キャンパス)中会議室A403
発表者:
プリンス・ジョセフ・ムロンド(サー・エドワード・サファリ・リミテッド)
「カスビの墓の復興現状と世界遺産指定から得たもの/そこなわれうるもの」
マイケル・オロカ=オボ(ワールド・ヴィジョン・ウガンダ)+
梅屋潔
(神戸大学)
「パドラにおけるウィッチクラフトと呪詛―決して保護されることのない伝統的無形文化」
プログラム:
趣旨:
東アフリカのフォークロア研究は、人類学、社会学などと連携しつつ複雑な経緯をたどっている。とくに人類学は植民地主義との関連で批判され、フォークロアに看板を掛け代えている場合すらある。
今回は、アフリカのフォークロアの現状を鑑みる目的で、対照的な二人のスピーカーを中心に議論をしたい。
ひとりは、ウガンダの危機に瀕した世界遺産の管理に深くかかわり、ブガンダ博物館の再建に力を注ぐプリンス・ジョセフ・ムロンドである。カスビの墓は、世界遺産の一つとして現在再興が急がれているが、ここにはUNESCO、JICAをはじめとする海外のエージェント、その間をとりもつ責任者、カバカ(ブガンダ国王)、王国内のカティキロ(総理大臣)、ナリニャ(王女)などの戦略も交錯し、複雑な現状がある。そのことを紹介しつつ、生活者や王国当事者としての実感をフォークロア研究との関係で議論したい。
もうひとりは、王国も形成していなかったが、現政権の1997年になってユニオンを形成し、パラマウント・チーフを新たに王国に準ずるユニオンとして設立したルオ系の民族アドラ(Jopadhola)の紹介者としてマイケル・オロカ=オボ氏に、こうしたユニオン設立にともなって公共性を要求されるプロセスで取りこぼされるものの典型である「呪詛」の観念について報告してもらい、隠されるフォークロアとして、ブガンダ王国の対比から議論をすすめていきたいと思う。
使用言語:英語 抄訳の通訳あり。
共催:神戸人類学研究会・神戸大学国際文化学研究推進センター