第76回研究会 ネット怪談にいかにアプローチするか―『現代の怪異あるいは怪異の現代』・『ネット怪談の民俗学』の著者と語る—

第76回研究会 ネット怪談にいかにアプローチするか―『現代の怪異あるいは怪異の現代』・『ネット怪談の民俗学』の著者と語る—

  • ■本研究会は、会員資格を問わず、どなたでもご参加いただけます。ただし事前参加登録をお願いします。
  • ■非会員で参加を希望される方は、こちらのリンクからお申し込みください。フォームに入力をしていただくと参加方法が案内されます。本会会員の方はメーリングリストで参加案内が届きますので、事前の申し込みは不要です。

開催概要

  • ■日時:2024年11月28日(木) 20:00~
  • ■開催方法:オンライン(Zoom)

趣旨

 近年、インターネット上の伝承を取り扱った民俗学的研究が日本で徐々に広まってきている。2024年10月には、ネット怪談を論じた章が含まれる及川祥平編著『現代の怪異あるいは怪異の現代——現代怪異研究小論集』(アーツアンドクラフツ)と、ネット怪談そのものを主題にした新書である廣田龍平『ネット怪談の民俗学』(早川書房)が相次いで刊行された。また、口承文芸研究の国際誌 Fabula では、2025年に「日本のネットロア」特集が出版される予定である。

 この動向にはいくつかの流れが影響しているだろう。まずは「モキュメンタリー」や「実話怪談」など、フィクションとリアルとの境目をあいまいにする作品が中心となって形作っている現在のホラーブーム。柳田國男以来の民俗学的な怪異妖怪研究の、とくに21世紀に入ってからの進展。そして、四半世紀前から進んできたインターネット文化の社会への浸透と、アメリカ民俗学におけるインターネット研究の展開。本学会でも2021年度年次大会では、アメリカ民俗学などを参照しつつ、「インターネットと民俗学」と銘打ったシンポジウムを開催した。鉄は熱いうちに打てというわけではないが、『現代の怪異あるいは怪異の現代』と『ネット怪談の民俗学』が刊行され、インターネットと民俗学の関係について、多くの人々の関心が集まっているこの機会に、どのような可能性があるのかを浮き彫りにすることは重要であろう。

 本研究会では、『ネット怪談の民俗学』著者の廣田龍平のほか、『現代の怪異あるいは怪異の現代』にネット怪談論を寄稿した押見皓介氏を招き、それぞれの著作のポイントを語ってもらう。さらにメディアと宗教の専門家である大道晴香氏に、現代文化と恐怖の観点からコメントをいただき、ディスカッションを通して、民俗学的なネット怪談研究、ひいてはインターネット研究の展望について議論を深めたい。(文責:廣田龍平)。

コーディネーター:

廣田龍平(法政大学ほか非常勤講師)

門田岳久(立教大学)

登壇者

廣田龍平(『ネット怪談の民俗学』著者)

押見皓介(成城大学大学院博士課程後期、『現代の怪異あるいは怪異の現代』寄稿者)

大道晴香(國學院大學)

プログラム

  • 20:00~ 趣旨説明 廣田龍平
  • 20:05~ 執筆者より著著・著作の説明
  • 20:25~ 大道氏よりコメント
  •    休憩
  • 20:45~ 質疑応答、議論
  • 21:30~ 総括 廣田龍平