(12/21)第81回研究会 「集積型映像記録」が示す民俗誌的映像記録―その利用価値と限界性―
第81回研究会 「集積型映像記録」が示す民俗誌的映像記録―その利用価値と限界性―
- ■日時:2025年12月21日(日)13:30-17:00
- ■開催方法 ハイフレックス
- 対面会場:東京大学駒場Ⅰキャンパス 18号館1階 メディアラボ2
- オンライン会場:Zoom
- オンライン参加には会員・非会員共に事前登録が必要になります。こちらのリンクからお申し込みください。
- 13:30 趣旨説明:村上忠喜(京都産業大学)
- 13:45 報告1 関孝夫(上尾市教育委員会)
- 集積型映像記録の製作 ~民俗文化財の総合的・悉皆的な記録を目指して~
- 14:25 報告2 川村清志(国立歴史民俗博物館)
- 民俗映像のアーカイブズは可能か?ー作品と資料、全体と部分の相剋のロンドー
- (休憩)
- 15:20 コメント1 政岡伸洋(東北学院大学)
- 15:35 コメント2 俵木悟(成城大学)
- 15:50 総合討論
【趣意】
本報告は、2021年度から2023年度にかけて行われた国立歴史民俗博物館の共同研究会「映像による民俗誌の叙述に関する総合的研究─制作とアーカイブスの実践的方法論の検討─」(以下「映像アーカイブズ研究会」)の成果の一端である集積型映像記録に関する利用価値と限界性について検証する。映像アーカイブズ研究会は、過去20年以上にわたり全国で制作された民俗文化財映像記録を検証し、「映像による民俗誌作成」とは何かを探究してきた。映像記録の方法論は、関西の文化財担当者や東京文化財研究所を中心に検討され、映像記録作成には何のために記録を作成するのかという目的設定が必要であり、その目的には大きく、①「広報・普及」、②「伝承・後継者育成」、③「地域総体の記録」の3つあることが示された。しかしながらこの3点目の「地域総体の記録」については方法や考え方は千差万別で、かつ資金的な条件も違うため、様々な記録が蓄積された。それらを包括して「集積型映像記録」と(我々は)称し、今回の報告の素材とする。民俗誌の定義を「ある地域社会の文化を総合的・体系的に描き出す記録」とするなら、「集積型映像記録」は映像という手段をもってひとつの無形民俗文化財を中心に据えたに民俗誌を作ろうという試みであったと解することができる。本報告では、記録方法としての「集積型映像記録」の分析を通して、その利用価値や限界性について検討するとともに、改めて民俗誌作成の現代性について議論したい。
【プログラム】