第58回研究会「〈フェスティヴァル〉から〈ヴァナキュラー〉な〈アート〉を考える」
第58回研究会「〈フェスティヴァル〉から〈ヴァナキュラー〉な〈アート〉を考える」
ご案内:
■現代民俗学会会員の方には、開催日前日までに、会員向けメーリングリストを通じて、参加に必要なZoomのID・パスコード等をご連絡いたします。
■本研究会は、非会員の方にも事前申し込みの上でご参加いただくことが可能です。下記の登録方法をよくお読みください。
日 時:2021年12月11日(土)13:00~
会 場:オンライン開催(オンライン会議システムZoomを使用)
発表者:
小長谷英代(早稲田大学社会科学総合学術院社会科学部)「〈アート〉における〈ヴァナキュラー〉の視点—グローバル化と「フォークライフ・フェスティヴァル」」
原聖(青山学院大学文学部客員教授)「フォークロアとフェスティヴァル-ケルト文化圏の事例から」
コメンテーター:
俵木悟(成城大学文芸学部)
塚原伸治(東京大学総合文化研究科)
コーディネーター:小長谷英代、菅豊(東京大学東洋文化研究所)
趣旨:
〈ヴァナキュラー〉の視点から〈アート〉を考える時、〈フェスティヴァル〉は注目したいテーマの一つである。〈フェスティヴァル〉は社会空間の多様な文脈の交錯に生成されるとともに、歴史の中で常に新たな形や意味に再生され、学術概念には容易に捉え難い対象である。とりわけ、20世紀以降の大衆化や商業化等の都市的要素の拡大においては、学術性や科学性を強調していた文化人類学的・民俗学的研究では、どちらかといえば敬遠されがちなテーマであったかもしれない。とはいえフェスティヴァルには大衆性や商業性に拘らず、社会や土地の歴史、信仰、価値観、アイデンティティ、あるいは対立や疎外等、日々の生活に関わる集団・個人の関係、経験、記憶等、文化/アートの理解には重要な文脈が内包される。〈ヴァナキュラー〉を考えるうえでも主要なテーマであり、より踏み込んだ研究が求められる。
殊に今、〈フェスティヴァル〉は、これまで以上に文化人類学的・民俗学的観点が活かされるべき場である。1980年代以降、グローバル経済の下で急速に広まる創造都市や創造産業等の趨勢では、「フォーク・フェスティヴァル」を含む、多種多様な「アーツ・フェスティヴァル」が世界各地に増加・拡散し、その存在感を強めている。学術研究では、今や〈フェスティヴァル〉は文化領域というより、経済、観光、都市開発等の領域が主導するテーマに置き換えられつつある。こうした現実に文化人類学的・民俗学的研究はどのように関わっていくのか。今回の研究会では、〈フェスティヴァル〉に焦点をあて、あらためて今日のアート/文化への両領域のアプローチおよび現代社会における位置や方向性を見直す。すなわち、〈フェスティヴァル〉を今日、アート/文化の歴史・社会的意味等に起きている大きな変動や問題が凝集される場とし、具体的な事例から、領域が今日置かれている学術研究や社会的関心・動向を捉えながら、「アート」における「ヴァナキュラー」を考える契機としたい。【文責: 小長谷英代】
■共催:現代民俗学会、「野の芸術」論研究会(科研「「野の芸術」論―ヴァナキュラー概念を用いた民俗学的アート研究の視座の構築」グループ)
【参加登録について】
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