2025年度年次大会
日 時:2025年5月25日(日)9:30~17:40
場 所:立教大学池袋キャンパス 本館1201、1202
■本会は対面方式とZoomによるオンライン方式を併用して開催します。
■現代民俗学会会員の方には、開催日前日までに、会員向けメーリングリストを通じて、参加に必要なZoomのID・パスコード等をご連絡いたします。
■本研究会は、非会員の方にも事前申し込みの上でご参加いただくことが可能です。下記の登録方法をよくお読みください。
【プログラム】
(1)個人研究発表
A会場(1201教室) 9:30~12:00
9:35~10:00 劉昌赫(神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科)「交通安全への政府と民間の協働―交通戦争期における交通安全紙芝居を事例として—」
10:05~10:30 小林宏至(山口大学人文学部)「民俗的色彩の定量化―日本社会における青鬼のブルー化をめぐって—」
10:35~11:00 小柳花音(関西学院大学大学院社会学研究科)「現代の異人の受容をめぐる物語り―奄美市名瀬の「赤マント」を中心に―」
11:05~11:30 松香怜央(東京大学大学院法学政治学研究科)「婚姻届出慣行の近現代史―法・民俗・儀礼―」
11:35~12:00 山岸紫(北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院)「2種の伝統化のプロセスにかんする試論―伝統の意味の両義性に着目して―」
B会場(1202教室) 10:00~12:00
10:05~10:30 三原一郎(神戸大学保健学研究科)「ムスリム墓地受け入れから見た、コミュニティの他文化・宗教受容—墓地受け入れを援助する宗教者へのインタビューを中心にして―」
10:35~11:00 坂川優介(東京大学大学院総合文化研究科)「民俗学的慰霊研究の再検討」
11:05~11:30 八木つきの(神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科)「終戦後の生活とヤミ市の関わり-ヤミ市に生じた交易を捉える-」
11:35~12:00 荒木真歩(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター)「歌い踊る身体の過去への共鳴―屋久島における盆踊りの感情に着目して―」
(2)会員総会 12:00~(1202教室)
(3)シンポジウム 民俗学×まち歩き:「一緒に調べる」ことの協働性・創造性・権力性 13:30~(1202教室)
発表者:
山川志典(地域遺産リサーチセンター):
「趣旨説明:民俗学×まち歩き:「一緒に調べる」ことの協働性・創造性・権力性」
吉江俊(東京大学):
「都市研究/都市デザインにおけるまち歩き」
大本敬久(愛媛大学)
「博物館・大学の地域連携活動におけるまち歩きの可能性」
コメンテーター:北條勝貴(上智大学)、川松あかり(九州産業大学)
コーディネーター:門田岳久(立教大学)、山川志典
趣旨:
近年、「ブラタモリ」に代表されるように、まち(一定の地域)を歩きながら、地形や川・道路の形状、まち並み、人の暮らしぶりなどに着目し、地域の文化や歴史を知る「まち歩き」が人気を博している。さらに、まち歩きを通じ、地域の魅力の再発見や防災・危険予知をすることは、まちづくりの手法としても注目されている。
民俗学においても、調査者自身が歩き調べていくことは重視され、歩き方は、調べ方や地域社会への関わり方としての意味も有している。
加えて、民俗学者にとってのまち歩きは、調査だけではなく、博物館等の講座や大学の授業を通じて、まち歩きをしながらその地域の民俗について説明をする機会としても存在する。
コーディネーターの山川自身も、まち歩きをしながら、地域の成り立ちや行事、信仰などを説明する機会がこれまでに何度かあった。その際、一方的に解説をするのではなく、「あそこは昔〇〇だった」とか「こことは違ってうちの地区では□□である」といったように、参加者から教えてもらうことも多く、加えて参加者間の対話から新しい発見が生まれることもあった。
ここからは、まち歩きは、自身の専門的なまちの見方を伝える場であるとともに、参加者とその場で共に気づきを重ねていくような、一緒に調べる場と捉えることの可能性が見出された。
一方で、まち歩きがしやすい場所や注目されやすい対象にまち歩きが偏ることや、「教える側/教えてもらう側」という構造になりやすいこと、さらに行政イベントや教育を前提とした際にできることの限界など、留意すべき点もある。
このような関心から、本シンポジウムでは、まちづくりに深く関わる都市計画分野でのまち歩きの議論をふまえながら、民俗学のまち歩きの姿を捉えていくと共に、地域住民や他分野の研究者と「一緒に調べる」ことについても考えていきたい。
シンポジウムでは、第一報告(山川)で、趣旨説明として「民俗学×まち歩き」の展開について論点を示す。第二報告(吉江)では、都市計画学分野におけるまち歩きと住民参加について論じる。第三報告(大本)では、地域連携の場におけるまち歩きのあり方について言及する。これをふまえ、2人のコメンテーター(北條・川松)からコメントを受け、その後参加者と共に議論を深めていきたい。(文責:山川)
共催:科研費基盤研究(C)「批判的民俗学の基礎理論構築:「周辺」における社会・文化運動の民俗誌から」
後援:立教大学観光学部交流文化学科
【ご案内】
■非会員およびメーリングリストにご登録されていない方で、年次大会にご参加を希望される方は、こちらのフォームからご登録ください。会員資格を問わず、どなたでもご参加いただけます。ただし、会員総会のご参加は会員のみとなります。
■登録後 、ZoomミーティングのID・パスコードを含む参加情報メールをお送りいたします。メールをなくさないようにご注意ください。
■参加情報メールに書かれている注意事項をよくご確認のうえでご参加ください。
■参加情報のメールを紛失された方は、改めて参加登録をお願いいたします。
■本会の会員メーリングリストにご登録をいただいている方は、年次大会前日までに会員向けメーリングリストを通じてミーティングURLとパスコードを含む参加情報をご案内いたしますので、参加登録をいただく必要はございません。